影と建築物を楽しむのは僕だけではないからこそ。

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撮影をしていくことを続けているんだけど、一番撮っているもので満足しているものは、影と建築物という組み合わせである。

風景撮影や街中で撮影するときも時間帯や建築物で発生する光が入り込んで出来る影を撮影していることが明らかに多い。何かに魅了されてというわけでもなく、いつの間にか撮るようになってしまった部分だ。

構図を考えず、そういう時間帯や天候、建物が生み出す光を探しているんだなと最近思っていて、ビルの隙間や外にある非常階段、夕日など特定の環境下で撮影した方が楽しいような気もする。

影を楽しむ、建築物を楽しむ、という小さな幸せと満足感が作品へと繋がっているのであれば間違いではない。

影と建築物を楽しむ。

時間帯や天候に左右されやすいが、それでも撮影できるチャンスが転がっている。構図や露出など色々な撮影条件を満たし、時間があるときは撮影を続けること。

日々変わる日常の中に落ちているチャンスを見逃さないのが、スナップ写真の楽しみなのである。

マンションを撮影したときに思ったのが、建築物の美しさである。無機質なものに対して、設計者の感情があるように思えた。バルコニーだって、手すりだって、窓だって全てに理由がある。そのデザインの集合体として、マンションは存在しているのだとしたら、作品としての価値はとても大きなものではないかと思う。

大阪に住んでいて分かったことは、建物が生み出す美しい造形。当たり前のように利用しているものが持っているデザインこそ、僕が残さないといけないことなんだと思った。多分他の人は撮影しないんだろうけど、ビルやマンション、商業施設が持つデザインを理解するのもまた、芸術だと考えて、今後も続けていこう。

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